労働問題解決までの手続きの流れ

目次
STEP1 任意交渉
まずは裁判所での手続を経ることなく、弁護士が相手方の会社と直接交渉(任意交渉)を行うのが一般的です。依頼者の主張を弁護士が法的に整理した内容証明郵便を会社に送付し、会社側に回答を求めます。なお、労働事件では給与・残業代などの消滅時効は2年(2020年4月以降については3年)と短いため、早期にその時効期間の進行を中断するという意味合いもあります。
法的措置を講じることなく、納得できる内容で解決できることが依頼者にとって最善であり、まずはこの時点での解決に最善尽くします。
また、任意訴訟で解決ができない場合、法的手続に進むわけですが、この時点で会社側の主張内容を明確にし、証拠を整理することで法的手続に向けた準備活動の側面もあります。
STEP2 労働審判
任意交渉でも解決しない場合、法的手続の利用を検討することになります。法的手続としては、主に裁判所での当事者の話し合いにより解決を目指す「労働審判」、厳格な手続のもとで当方の主張・証拠に基づく審理を進める「訴訟」に大きく分けることができますが、まずは労働審判を選択するケースが多いです。
労働審判は、原則として3回以内の期日で審理を行うものとされているところ、訴訟と比較して短期間での解決が期待できるためです。
労働審判では、弁護士が当方の請求・主張を整理した申立書、それに対する相手方の答弁書をもとに、裁判官と2名の労働審判委員のもとで話し合いを進めます。
当事者が提出した書面及び証拠、当事者から聴取した事情をもとに裁判所が話し合いを整理し、ときには和解案を提示するなどして、事件の解決を目指します。
最終的に話し合いによる和解が成立しない場合、裁判所から一定の解決策として審判がなされ、当事者はこれを受け入れるか、異議を申し立てるか選択することになります。
STEP3 訴訟
労働審判で和解が成立せず、また、裁判所が提示した労働審判に対して当事者が異議を申し立てた場合、訴訟に移行することになります。もちろん、事件によっては労働審判を申し立てることなく、直接、訴訟が提起される場合もあります。
訴訟では厳格なルールのもと、話し合いではなく、書面による審理を中心に手続が進行します。そのため、労働審判とは比較して事件解決まで時間を要する場合が多く、解決までには1年、長い場合には2年以上を要する場合もあります。