労働災害の解決方法

目次

1 労災保険の利用をトータルにサポート

労働災害により被害を受けた場合、まずは負傷や疾病を治すために治療を受けることになります。その際、労災保険を利用することで療養補償給付として治療費相当額の支給を受けることができますが、労災保険の利用には企業側の協力が必要になるところ、労災の利用を嫌がって協力に応じてくれない場合もあります(いわゆる労災隠し)。
そのような場合、弁護士が間に入って交渉することで企業側の協力を引き出し、スムーズな労災申請をサポートします。

また、後遺障害が残る可能性がある場合、治療開始の当初から適切な後遺障害等級の認定に向けて準備を進めることが重要ですが、早期に専門家にご相談いただくことで適切なアドバイスを受けながら安心して治療に専念することができます。
実際に後遺症認定を受ける際にも、認定の際に不利益を被ることがないように医師による後遺障害診断書の作成のポイントについてアドバイスすることで適切な後遺症認定及び申請をサポートします。

2 安全配慮義務違反等を理由とする損害賠償請求

労災保険では、労働災害で受けた損害の全てカバーすることはできません(カバーの範囲は損害の80%で、慰謝料などの補償は認められていません)。
そのため、労災保険でカバーができない損害については、企業側の安全配慮義務(労働者を安全な環境のもとで就労させる義務)の違反を理由に損害賠償請求を検討する必要があります。

しかし、企業側の安全配慮義務と一言でいっても、その内容は業種や業務内容・環境などに応じて千差万別であり、企業に対する安全配慮義務違反を理由とする責任追及の際には専門家である弁護士のサポートが必要不可欠です。
当事務所は、労働者の安全かつ健康な就労環境の確保を目的とする産業保健分野における書籍・論文の執筆・講演実績を有しており、そのような実践経験や数多くの判例・裁判例の分析や検討に裏打ちされた専門的知見に基づく交渉により、企業側に対する責任追及を力強くサポートいたします。

また、企業側が強硬に交渉に応じない場合、やむを得ず労働審判や訴訟などの法的手続を検討する必要があります。このような場合であっても、弁護士が申立から事件解決までを支援します。
なお、各手続の特徴や概要については、「解決までの流れ」をご参照ください。

3 元の職場環境への復帰を支援

労働災害により負傷・疾病などを生じた場合、治療に専念するために休職などを余儀なくされることになります。このように休職を余儀なくされた場合、就労能力の低下を理由に退職に追い込まれる事例も少なくありません。
しかし、労働災害により休職中の労働者を解雇することなどは法律上禁止されています(労働基準法19条1項)。
このように法律に照らして不当な待遇を受けた場合であっても、法的な根拠に基づいて企業と交渉することで元の職場環境への復帰を支援いたします。

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G&S法律事務所
野崎 智己(Nozaki Tomomi)

弁護士法人G&S法律事務所 パートナー弁護士。早稲田大学法務部卒業、早稲田大学大学院法務研究科修了。第二東京弁護士会にて2014年弁護士登録。弁護士登録後、東京丸の内法律事務所での勤務を経て、2020年G&S法律事務所を設立。スタートアップ法務、医療法務を中心に不動産・建設・運送業などの企業法務を幅広く取り扱うとともに、離婚・労働・相続などの一般民事事件も担当。主な著書として、『一問一答 金融機関のための事業承継のための手引き』(経済法令研究会・2018年7月、共著) 、『不動産・建設取引の法律実務』(第一法規・2021年、共著)、「産業医の役割と損害賠償責任及びその対処」(産業医学レビューVol.32 No.1・令和元年、共著)、『弁護士のための医療法務入門』(第一法規・2020年、共著)等。